デンデンが好き過ぎてもう夜も眠れない。

 

 

 諸君、私はデンデンが好きだ。

 敢えて二回言おう。デンデンが大好きだ。

 

 あの愛くるしい目玉がたまらない。

 あの可愛らしい泣き声がたまらない。

 あの渦巻いた甲羅の曲線美がたまらない。

 あのちょこんと突き出た尻尾がたまらない。

 

 何を考えているかわからない。

 考える脳があるのかわからない。

 でもいつもニコニコ笑っている。

 赤子が可愛らしさで身を守るがごとく、

 デンデンはあの笑顔で身を守っている。

 

 最弱も身を守る術である。

 初心者プレイヤーに最初に狩られている。

いつも一定数は減っている。

それでもロイドなどに比べると、

圧倒的に減少数は少ない。

 

 ドロップするアイテムは性も無い。

 しかしファミリアの効果は健気である。

 青と赤のデンデンのサポートである。

 青はMP、赤はHPを回復する。

そのサポートである。

 薬代をケチるサポートの、

 そのまたサポートである。

 もう一度言おう、健気である。

 

 緑色の甲羅は目に優しい。

 スライムは光の反射が目に来る。

 しかしデンデンはそうではない。

 甲羅のくすみ加減が目に優しい。

 

 モンスターブックの説明でも、

 最弱と書かれている。

 一般的にデンデンは、

 弱いモンスターの代名詞である。

 ところが防御の値は10もある。

 これはシングルプテラスの5を越えるのだ。

 リプレ奥地のモンスターより、

 デンデンの防御は高いのだ。

 

 あの小さな体は大きなスペースを持っている。

 初めて槍をドロップしたときの驚きようったら無い。

 実は無脊椎なんて嘘で、

 槍は彼の骨格なのではないだろうか。

 と考えてみたものの、

 そもそも長さが足りない。

 槍は間接式だとしても、

 それを骨格とする理由も、

 ドロップのとき組み立つ理由もわからない。

 つまりデンデンは時空を超えて、

 槍を持ってくる力を持っている。

 

 諸君、長々と語ってきた。

 しかしこれだけ長く述べていても、

 デンデンの魅力は筆舌尽くしがたい。

 皆もこの魅力に気づき、

 愛でることを覚えて欲しい。

 

 もう一度言おう。

 

 私はデンデンが大好きだ!


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