NPO法人 地域医療を育てる会」、「県立柏原病院の小児科を守る会」懇談会報告書

 

日 時:11月30日(金)  場 所:丹波市公民館

参加者:12名

<千葉> 県立東金病院長 平井愛山氏、「NPO法人 地域医療を育てる会」相京邦彦氏

<柏原>「県立柏原病院の小児科を守る会」(代表)丹生裕子さん、(事務局)岩崎文香さん、足立誠子さん他3名、「丹波新聞社」足立さん

<西脇>(わかあゆ園保護者)大崎さんほか2名 

 

千葉県立東金病院 平井院長からの報告

今、地域の病院再生の道は「医師・首長・住民・議員を育てること」

人材育成と地域医療の再生 

※参考別添

「地域医療の崩壊から再生へ」

「九十九里沿岸部の勤務医不足問題と東金病院のとりくみ」

 
・病院と診療所の連携 

・医師の育成  

・病院経営

・その他、都市部への道路整備も必要

 

1.千葉県の山武地域の医療体系 

1市8町村人口20万人  3つの公立病院  診療所90箇所  民間の病院7箇所

病床数  @350床 A100床

人口10万人に対する医師数)

 

全国平均

180

 

千葉県

130

千葉市内は平均以上

山武地域

80〜90

※県下最低の医師数

医師数  

 

 

 

 

2.病院崩壊の危機

  問題発生・・・記事になったのは3年前。H15には3つの病院で28名いた内科医がH18には8名。3つの病院で輪番できていたのがドミノ倒し様にくずれていった。医師確保できなければ診療は継続できない状況となった。

年度

医師数

内科の医師数

 

H16

21

10

※千葉大からの派遣で成り立っていた

H17

17

地域医療をしたいと医局人事外で入ってきたI医師

H18

11

3(研修医は0)

院長とI医師で立て直す

 

・核となる医師は医局外の地域医療をしたい医師。その医師が去るような病院ではつぶれる。

市民、県、市がサポートする必要がある

 

3.医局人事の崩壊から地方病院の危機

東金病院は千葉大のテリトリーで、ほかの大学からは人事はない。

地方病院は大学の人事で成り立っていた。新臨床研修制度により、

学生は大学病院を選ばなくなった。医局に学生がいないので、

他に送ることができない。地方にいた医師を大学に帰す。

研修が終わっても大学には戻ってこない。入局は1/10

(※参考 小松秀樹「医療崩壊」)

医師の負担が大きくなると、より負担の少ない病院へ移る。または開業する。過酷な勤務体制の中で結果責任を問われ、逮捕という現実が出た。以前は、学位をとるために医師が多く医局にいたが、医局をやめる医師が多くなった。若手医師の進路希望は専門医のライセンスの取得。学位はいらない。場所や給与が問題ではなく、魅力的なプログラムと面倒見のいい指導医、他にない症例がある病院を選ぶ。

・医師数の減 → 極端な収入の減 → 病院会計の大幅赤字 → 一般会計からの持ち出し 

爆発 1: 自治体の危機・病院を残さないといけない → 地域医療センターの確立 

→ 集約化した場合、医局人事の医師はやめる

 

4.これからの病院

◎地域ぐるみでライセンスの取得できる医師を育成する

◎医療システムの再構築をはかる

 

県立病院レジデント制度 → 各診療分野の専門をつくり、ライセンス取得ができるように

病院は学会教育関連病院認定の取得をし、若手医師の指導にあたる。

 


東金病院は総合医・家庭医の基本的コンセプトをつくり、

中核病院と診療所と薬局を広域電子カルテでネットワーク。

総合医レジデントの養成 

他では絶対にできないプログラムをたちあげる

大学病院しか知らない若い医師にコミュニケーションスキルを

※ レジデント=後期研修、スパーローテ=初期研修 

 

 

 

 

 

 

 

 


千葉県東金市 NPO法人 地域医療を育てる会 相京さんからの報告

 

@     住民だからこそできる医師育て

通常の診察で・・・わかったふりをする患者とわからせたつもりの医者

医師は医学的な知識がある上で説明しているが、患者はわかりにくいことが多い

 

A     なぜ、レジデントのコミュニケーション研修がはじまったのか

院長の努力で若い医師が東金に集まりはじめた。地域の人々は若い医師は苦手。院長から理解と協力のお願い・・・何をしたらいいのか?

 ◎「医師を育てるとはこういうことです」という具体的に見えることをやりたい

  コミュニケーションスキル研修

   病気予防の話:15分 質疑応答:15分 

テーマを決めた自由討論:30分(司会は医師)

  患者にわかるように話す練習、違う方向にそれてしまう話をきちんとまとめる

  ★ アイコンタクト、やさしい表情、言い方など具体的に評価する。

  ★研修の一環として行うので、勤務時間に行う。テキストは参加者へのお礼とする。

 

B     医師育成サポーターとは

・「医師の研修のお手伝いをする」ことを理解

・研修のときにはじめから終わりまで出席できる

・住まい、病院との関係、年齢、性別は不問

・研修の席上で扱われた個人情報については守秘義務

◎ 現在15名・・・お互いにわかりあっていきたい。自分も成長できる。医師の集まる夢のある地域にしたい。医師・住民の接点をもつことが大切

円形吹き出し: 月刊 2万部発行
東金市全戸配布
 


C     NPO法人地域医療を育てる会の活動

ミッション「対話する地域医療を育てる」

対話のための関係作り・・・情報誌「クローバー」の発行、ブログホームページの開設

対話の場の提供・・・学習会、懇談会、講演会、対話集会の実施、

東金病院レジデント研修のお手伝い

 ◎ 夢と希望を創る地域医療プロジェクト(夢プロ)→ 地域医療について学ぶ連続講座

   ・地域医療の危機は何故起こったか

   ・中核施設を支える医師をどう育て、支えるのか

   ・自治体病院改革の現状と課題

   ・医療の連携で地域医療を向上させるには  など

 

この報告書についての問い合わせは

兵庫県議会議員 東野としひろ事務所(0795-22-6866)東野由美子まで

 

 
※今回「県立柏原病院の小児科を守る会」のお話は聴いていません。