「NPO法人 地域医療を育てる会」、「県立柏原病院の小児科を守る会」懇談会報告書
参加者:12名
<千葉> 県立東金病院長 平井愛山氏、「NPO法人 地域医療を育てる会」相京邦彦氏
<柏原>「県立柏原病院の小児科を守る会」(代表)丹生裕子さん、(事務局)岩崎文香さん、足立誠子さん他3名、「丹波新聞社」足立さん
<西脇>(わかあゆ園保護者)大崎さんほか2名
千葉県立東金病院 平井院長からの報告
今、地域の病院再生の道は「医師・首長・住民・議員を育てること」
人材育成と地域医療の再生
※参考別添 「地域医療の崩壊から再生へ」 「九十九里沿岸部の勤務医不足問題と東金病院のとりくみ」
・病院と診療所の連携
・医師の育成
・病院経営
・その他、都市部への道路整備も必要
1.千葉県の山武地域の医療体系
1市8町村人口20万人 3つの公立病院 診療所90箇所 民間の病院7箇所
病床数 @350床 A100床
(人口10万人に対する医師数) |
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全国平均 |
180 |
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千葉県 |
130 |
※ |
山武地域 |
80〜90 |
※県下最低の医師数 |
医師数
2.病院崩壊の危機
問題発生・・・記事になったのは3年前。H15には3つの病院で28名いた内科医がH18には8名。3つの病院で輪番できていたのがドミノ倒し様にくずれていった。医師確保できなければ診療は継続できない状況となった。
年度 |
医師数 |
内科の医師数 |
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H16 |
21 |
10 |
※千葉大からの派遣で成り立っていた |
H17 |
17 |
7 |
地域医療をしたいと医局人事外で入ってきたI医師 |
H18 |
11 |
3(研修医は0) |
院長とI医師で立て直す |
・核となる医師は医局外の地域医療をしたい医師。その医師が去るような病院ではつぶれる。
市民、県、市がサポートする必要がある
3.医局人事の崩壊から地方病院の危機
東金病院は千葉大のテリトリーで、ほかの大学からは人事はない。
地方病院は大学の人事で成り立っていた。新臨床研修制度により、
学生は大学病院を選ばなくなった。医局に学生がいないので、
他に送ることができない。地方にいた医師を大学に帰す。
研修が終わっても大学には戻ってこない。入局は1/10
(※参考 小松秀樹「医療崩壊」)
医師の負担が大きくなると、より負担の少ない病院へ移る。または開業する。過酷な勤務体制の中で結果責任を問われ、逮捕という現実が出た。以前は、学位をとるために医師が多く医局にいたが、医局をやめる医師が多くなった。若手医師の進路希望は専門医のライセンスの取得。学位はいらない。場所や給与が問題ではなく、魅力的なプログラムと面倒見のいい指導医、他にない症例がある病院を選ぶ。
・医師数の減 → 極端な収入の減 → 病院会計の大幅赤字 → 一般会計からの持ち出し
・病院を残さないといけない → 地域医療センターの確立
→ 集約化した場合、医局人事の医師はやめる
4.これからの病院
◎地域ぐるみでライセンスの取得できる医師を育成する
◎医療システムの再構築をはかる
県立病院レジデント制度 → 各診療分野の専門をつくり、ライセンス取得ができるように
病院は学会教育関連病院認定の取得をし、若手医師の指導にあたる。
東金病院は総合医・家庭医の基本的コンセプトをつくり、
中核病院と診療所と薬局を広域電子カルテでネットワーク。
総合医レジデントの養成
他では絶対にできないプログラムをたちあげる
大学病院しか知らない若い医師にコミュニケーションスキルを
(※ レジデント=後期研修、スパーローテ=初期研修 )
@
住民だからこそできる医師育て
通常の診察で・・・わかったふりをする患者とわからせたつもりの医者
医師は医学的な知識がある上で説明しているが、患者はわかりにくいことが多い
A
なぜ、レジデントのコミュニケーション研修がはじまったのか
院長の努力で若い医師が東金に集まりはじめた。地域の人々は若い医師は苦手。院長から理解と協力のお願い・・・何をしたらいいのか?
◎「医師を育てるとはこういうことです」という具体的に見えることをやりたい
コミュニケーションスキル研修
病気予防の話:15分 質疑応答:15分
テーマを決めた自由討論:30分(司会は医師)
★ 患者にわかるように話す練習、違う方向にそれてしまう話をきちんとまとめる
★ アイコンタクト、やさしい表情、言い方など具体的に評価する。
★研修の一環として行うので、勤務時間に行う。テキストは参加者へのお礼とする。
B
医師育成サポーターとは
・「医師の研修のお手伝いをする」ことを理解
・研修のときにはじめから終わりまで出席できる
・住まい、病院との関係、年齢、性別は不問
・研修の席上で扱われた個人情報については守秘義務
◎ 現在15名・・・お互いにわかりあっていきたい。自分も成長できる。医師の集まる夢のある地域にしたい。医師・住民の接点をもつことが大切
C
NPO法人地域医療を育てる会の活動
ミッション「対話する地域医療を育てる」
対話のための関係作り・・・情報誌「クローバー」の発行、ブログホームページの開設
対話の場の提供・・・学習会、懇談会、講演会、対話集会の実施、
東金病院レジデント研修のお手伝い
◎ 夢と希望を創る地域医療プロジェクト(夢プロ)→ 地域医療について学ぶ連続講座
・地域医療の危機は何故起こったか
・中核施設を支える医師をどう育て、支えるのか
・自治体病院改革の現状と課題
・医療の連携で地域医療を向上させるには など
この報告書についての問い合わせは 兵庫県議会議員 東野としひろ事務所(0795-22-6866)東野由美子まで
※今回「県立柏原病院の小児科を守る会」のお話は聴いていません。